先日行われた令和元年度秋季の情報処理技術者試験において、念願の「システムアーキテクト試験合格!」を果たすことができました。
こちらについて、もしかしたら誰かのお役に立てるかもしれないので、私がシステムアーキテクト試験合格に向けて行った勉強方法についてまとめてみたいと思います。
※ちなみに、本記事は初学者向けではなく、高度区分試験経験者向けの内容になっています。
この記事の主な読者像
- 高度区分試験を受験した経験がある方
- 午前1免除の方
システムアーキテクト試験合格までの歩み
まずは参考として、私のシステムアーキテクト試験合格までの歩みを簡単にまとめておきたいと思います。
平成30年度試験では惜しくも不合格
私の場合、システムアーキテクト試験に1発で合格できたわけではありません。1つ前の平成30年度秋季のシステムアーキテクト試験において、午後2で「B」評価を受けて不合格となっています。
午後2で不合格となった1番の原因1は「山を張りすぎたこと」でした。午後2試験に出題される論文テーマのカテゴリは複数ありますが、私はそのうちの2カテゴリ(要件定義、設計)くらいに絞って勉強を行ってしまっていました。
その結果、勉強したカテゴリ外から問題が出題され、撃沈した、というわけです。端的に言えば勉強のやり方が下手だったわけですね。笑
令和元年度試験で見事合格!
前回試験の不合格を受けて、自分なりに反省と対策を行い、勉強のやり方を見直したうえで再挑戦した結果、令和元年度秋季のシステムアーキテクト試験で合格を果たすことができました。
ちなみに合格時の成績は以下のとおりです。
私が行った勉強方法
それでは、私が行った勉強方法について、準備段階の内容から書いていきたいと思います。
STEP1:勉強戦略の立案
どんな資格試験でも言えることなのですが、日々の勉強に取り組む前に「勉強戦略」を立案しておかないと、勉強の効果・効率が下がってしまうと思っています。というわけで、何よりも先に、まずは勉強戦略を立てました。
ちなみにここでいう「戦略」とは「目標の達成に向けてリソースをどう使っていくかをまとめた指針」です。
リソースとは、時間とかお金とかモノ(教材等)を指します。勉強にかける時間、お金、モノは有限なので、効果的に、効率よく使っていく必要があるわけです。
話がずれましたが、私が立案した勉強戦略は以下のとおりです。
私の勉強戦略
- 勉強の優先順位は高い順に午後2⇒午後1⇒午前2(午前1は免除)
※優先順位が高い方により多くの勉強時間を割り当てる。 - 教材は原則「過去問」。ただし、午後2については市販の教材を追加する
- 勉強量の目安として、午前2は過去問10年分、午後1は過去問12問分、それ以外の時間は午後2に充てる。
※午前2、午後1の勉強量は前回試験時と同じ量を設定。
要は、前回午後2で不合格だったから今回は午後2第一優先!という感じにしたわけです。
午後2対策のために追加購入した市販の教材は「システムアーキテクト合格論文の書き方・事例集 第3版」です(以下にリンクも貼っておきますね)。論文の書き方や事例集がまとめられた本ですが、事例集よりも論文を書く際のセオリー的な部分が参考になりました。
STEP2:勉強スケジュールの立案
勉強戦略を決めた後に、その戦略を具体的な勉強スケジュールに落とし込んでいきました。勉強スケジュールは、戦略が絵に描いた餅にならないようにするための重要な要素です。
具体的な流れは次のとおりです。
勉強可能時間の洗い出し
勉強に充てることのできる時間的リソースを把握すべく、スケジュール帳を開いて、試験当日までのそれぞれの日にどのくらい勉強できる時間がありそうかを見ていきました。
具体的には、それぞれの日を「30分勉強できそうな日」、「60分勉強できそうな日」、「120分以上勉強できそうな日」、「勉強できそうにない日(0分)」の4パターンに分けていきました。
考え方としては、仕事がある日は「30分」、仕事がある日だけど時間に余裕がありそうな日や、休日は「60分」、休日かつ時間に余裕がありそうな日は「120分」、飲み会や出張等、勉強時間が確保できそうにない日は「0分」としました。勉強可能時間洗い出しの例は以下のとおりです。
最後に、全ての時間を合計し、全体の勉強可能時間を算出します。私の場合、勉強可能時間は約37時間でした。「勉強期間」についてもこの数字をもとに決めましたが、余裕をもって2ヶ月間としました。試験が10月下旬頃でしたので、8月下旬頃から勉強を開始することにしたわけです。
なお、勉強可能時間は37時間、と言いましたが、この時間はあくまで想定です。急な飲み会や残業等、突発的な予定変更によって増減する前提となります。
ちなみに私の場合、想定外の勉強時間が確保できたり、勉強に予想以上に時間がかかってしまったりした結果、最終的な勉強時間(実績値)は47時間となっていました。
勉強メニューの決定
1回の学習で実施する勉強のメニューを決めます。私の場合、まずは時間枠で勉強メニューを考えました。
具体的には、「勉強可能時間の洗い出し」時に用いた30分、60分、120分の時間枠でできることをベースに勉強メニューを考えました。以下のような感じです。
私の勉強メニュー
・30分コース①:午前2の過去問1年分を半分解く(12~13問程度)
・30分コース②:午後2の過去問を1問分解く(論文設計まで)
・60分コース:午後1の過去問を1問分解く
・120分コース:午後2の論文ネタ集め、設定作り、文章テンプレ作り等
勉強スケジュール表の作成
勉強メニューを決めた後は、試験当日までのそれぞれの日に勉強メニューを割り当てながら、勉強スケジュール表を(エクセルで)作りました。
私の場合、勉強戦略が「午前2は過去問10年分、午後1は過去問12問分、それ以外の時間は午後2」という内容でしたので、この内容に沿って勉強メニューを割り当てて行く必要があります。
具体的には、「30分コース①(午前Ⅰ対策)」を20回分(10年分)、「60分コース(午後Ⅰ対策)」を12回分、時間枠の大きさが合う日にちに割り当てていきました。
それ以外の日については、午後2用の勉強メニューをメインに割り当てていきました。勉強メニューでいうと「30分コース②」と「120分コース」です。
各日に勉強メニューを割り当てた結果である「勉強スケジュール」の例はこんな感じです。
各日の勉強時間枠に勉強メニューを割り当てる際、時間枠と勉強メニューのサイズ感が合わなかったり、そもそも時間枠が足りなくなることがありましたが、そういうときは、「前倒しで勉強を開始して時間枠を増やす」、「60分の時間枠を120分に広げる」等、調整を行いました。
STEP3:勉強の実施
勉強スケジュールが決まったら、あとはそのスケジュールに沿って日々勉強するのみです。
勉強の流れは次のとおりです。
勉強の流れ
- 勉強スケジュールを確認する
- その日の勉強メニューをこなす
- 勉強結果(正答率や所要時間等)を記録する
- 勉強スケジュールに実績値を入れる(必要に応じてスケジュールを修正する)
勉強結果の記録方法
勉強結果(正答率や所要時間等)を記録する際は、勉強スケジュールと同様にエクセルで行っていました。
具体的にはこんな感じです。ちなみにこれは例ではなく、私が実際に記録していた実例です。笑
勉強結果は記録するだけではもちろんダメで、正答率が低かったり、制限時間をオーバーしてしまった場合には、その原因を探り、対策を考えるようにします。
例えば、午後1試験において、私が正答率アップや時間オーバー防止のために編み出した対策(≒回答のコツ)は次のとおりです。
午後1問題における回答のコツ
- 分からない問題はいったん飛ばす
- 回答に幅を持たせる
- 難しく考えない
- 問題に書いてないことが解になりうることを知っておく
- 登場人物を図で整理する
- システムの機能、属性をしっかり理解する
- 問題文を読み飛ばさない
それぞれの詳細については以下の記事をご覧ください。
勉強スケジュールの管理方法
「勉強スケジュールに実績値を入れる」とは、いわゆる予実管理です。私の場合、勉強スケジュールに追加して、実績値を記録していきました。例えばこんな感じです。
右の方の「勉強実績」のエリアに書かれている数字が実際にかかった勉強時間を表しています。最初のうちは勉強メニューに慣れていないこともあって予定時間よりオーバーしがちになりますが、勉強メニューの予定時間はあくまで目安なのであまり気にしないでOKです。
ただし、予定時間を大幅にオーバーすることが続いてしまう場合は、そもそも勉強メニューの設計ミスの可能性が高いので、早々に内容かスケジュールの見直しを図った方がよいでしょう。
また、予実管理を行っていくなかで勉強スケジュールに遅れを検知したときには、適宜スケジュールを微修正していきました。そうしないと、本来実施するはずだった勉強メニューが消化できない≒勉強不足になる≒合格する確率が下がる、という事態になってしまいます。
おわりに
以上、システムアーキテクト合格に向けた勉強のやり方についてまとめてみたました。資格試験の合否には地頭の良さも多少影響するかと思いますが、私は勉強のやり方の方が影響力が大きいと思っています。
私のやり方がすべてではないので、いち参考として、ご活用いただければと思います!
現場からは以上です。
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